ひとつ むぎ の 手 あらすじ。 【鬼滅の刃#第5話】あらすじとネタバレ感想まとめ!炭治郎に襲いかかる巨大な鬼!最終選別を通過して生き残ったのはたったの・・・

【感想・ネタバレ】ひとつむぎの手のレビュー

ひとつ むぎ の 手 あらすじ

Posted by ブクログ 2020年06月22日 大学病院の医師もの。 ドラマで親しんでいる要素もあり、初めて知るような側面もあり。 リアリティも楽しめて、さわやかな感動もあり、の読後感。 平良祐介は、純正会医大付属病院の医師。 良心的で熱心だが、それだけにひたすら忙しい。 内心にはもっと認められたい葛藤もありました。 研修医を3人担当して指導する ことになり、忙しさには拍車がかかります。 しかも、生意気な割に熱心な学生ではなさそう…? トップの赤石教授から、3人のうち2人を心臓外科へ来させるようにという指令が。 達成出来れば、かねてから念願の病院へ出向してさらなる経験を積むチャンスが訪れたのです。 いまどきの若者の相手をしつつ、患者それぞれの事情にも親身に向き合う平良。 病院での事件に巻き込まれ、右往左往するうちに、ある点では成果が。 しかし…? 平良の不器用さや苦悩にこちらもはらはらしますが、温かな人柄と誠意ある行動にほっとします。 そして、合う道へと進むエンディング。 Posted by ブクログ 2019年11月24日 ブク友さんのレビューで知って。 〇針谷に無邪気に声を掛けられるたびに、耐えがたい自己嫌悪にさいなまれる。 醜い嫉妬心を胸に抱え、独り相撲をとっている自分の姿を見せつけられて。 それはよかった。 ああ、それでもいいか、そういう思いも抱えていてもいいか、という。 やっぱ、派閥とか、あるんかね。 大変やね・・。 ネタバレ Posted by ブクログ 2019年08月28日 医療モノとは思っていても、よもやこのタイミングでこれ読むとは。 偶然分かった冠動脈の動脈硬化で、心臓カテーテル検査が必要となり、明日循環器内科で説明を受ける。 検査結果によってバルーンかステントか、はたまたバイパス手術か。 自覚症状なかく、ガンガン運動してたから自分の心臓がやばいなんて思いもしなかった。 ま あ長年の暴飲暴食がたたっわけだ。 この本で、病因と治療についてしっかりと学習させていただいた。 心臓外科からバイパスのオファーがきたらどうすっかなぁ。 カンファレンスで俺の心臓の争奪戦あるのかも。 そんなことより祐介、立派だった。 赤石教授、彼の夢を叶える気もなく二度までも嘘で彼を釣っちゃあいけません。 だからバチがあたったんです。 Posted by ブクログ 2019年08月25日 あったかーい、なんとも優しくなれる本。 医者として心臓外科医として人を救うために奔走している平良医師。 医局の権力争い。 どろどろに渦巻いた人間関係。 ただただ、自分の信じていることだけに没頭する、平良先生、かっこいい。 何度も何度も泣かされる。 人生には、思い通りにいかないことなんて山のようにある。 生き たかった大学にいけなかった、第一志望の就職先に就けなかった、期末でものすごく勉強したのにいい点がなかった、頑張って働いたのにボーナスや昇進がなかった。 いろんなことがうまくいかない中で、自らの力で自分をコントロールしてプランBを受け入れることができる人はなんて強いんだろう。 自分もこういう人間になりたい。 ネタバレ Posted by ブクログ 2020年02月01日 若き心臓外科医、平良祐介は研修医3人の教育を引き受けさせられる。 二人が入局を決めたら、希望する出向先に推薦してもよい、という言葉につられ、激務の中で指導をする。 患者の気持ちに寄り添い、救急医療での判断も確かな平良祐介は、やがて研修医たちから信頼されるようになる。 助けられない命、一瞬の判断で助 けることができた命に毎日向き合う中で、教授の論文データ改竄を告発する怪文書が出回る。 差出人を探すことを教授に命じられ、また、希望のところに出向したい彼は調査を開始する あまりミステリー色は強くないが、人間らしい嫉妬心を持つ主人公はリアルに響いてきた。 最後は彼にとってもハッピーエンドだったと思う 著者の他の作品も読んでみたい• ネタバレ Posted by ブクログ 2019年08月26日 大学病院で心臓外科医を務める平良。 激務の中、さらに三人の研修医の指導医としての任務が加わる。 最初の指導で躓いたため、研修医と平良の間でギクシャクしたものができてしまう。 平良は日頃の仕事ぶりを自然に見せることで信頼を勝ち取る。 小児心臓医を目指す宇佐美のエピソードは涙を流さずにはいられない。 患児への治療 を通じて、医者として一皮向けた。 ここまで壮絶な経験をしないと医者にはなれないのだろうか。 きっとそうなのだろう。 主人公の平良は心臓外科医としてやっていけるかどうか微妙な立場。 そして、平良はひとを紡ぐ仕事がどれほど重要であるかに気付く。 命を預かる現場にあるギリギリの人生論のようなものが伝わった。

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バジリスク〜甲賀忍法帖〜 物語

ひとつ むぎ の 手 あらすじ

切ない歳の差恋愛を描いた映画 『愛を読むひと』。 歳の差恋愛の切なさを描くだけではなく、時代的な切なさまでストーリーに絡んでいる… ただの恋愛映画というだけでは語れない魅力が詰まっている映画でした。 どちらかといえば切ない恋愛映画がお好きな方、歳の差恋愛・時代的な背景がある恋愛映画がお好きな方におすすめなです!• 映画『愛を読むひと』の作品情報 あらすじ 1985年、ドイツ。 体調を崩して家に帰ることもできなくなった15歳の少年・マイケルは、21歳年上の女性・ハンナに介抱してもらったことをきっかけに恋心を抱くようになります。 そしてハンナはそんなマイケルの想いを察し…関係を持つようになりました。 初めての女性に戸惑うマイケルに、ハンナは優しく女性との付き合い方を教えながら何度も逢瀬を重ねていきます。 そんなある日、ハンナから本の朗読を頼まれたマイケル。 最初こそ朗読を恥ずかしがっていたマイケルですが、ハンナを楽しませようとだんだんと朗読に力が入っていくようになります。 そして『朗読したらベッドに行く』というルールを決めてからは、本と2人だけの穏やかな日々を送ることになるのですが…。 予告動画 動画リンク 映画『愛を読むひと』の感想 【面白ポイント】• 映画『シンドラーのリスト』と合わせて観たい• すごく 王道な出会いなのに不純な関係が進んでいって…でも心情的には純情という矛盾が、すごくティーンズラブマンガのようだなと思いました。 だからといってセクシーシーンばかりを押し付けることはなく、頼れる年上女性に惹かれていくマイケルにも、少年を愛したハンナの想いにも共感しやすくて…。 あくまでも中盤から終盤にかけての切ないストーリーがメインだと思うのですが、序盤の 恋愛ストーリーからしっかりと楽しむことが出来ました。 なので不純だけど純粋なティーンズラブのような恋愛映画がお好きな方、歳の差恋愛がお好きな方におすすめしたい恋愛ストーリーです! シンドラーのリストと合わせて観たい 時代的な背景が似通っているためか、映画『シンドラーのリスト』と少し似た部分がありつつ、 両者の魅力をさらに高めてくれているように感じました。 シンドラーのリストが迫害されたユダヤ人視点からその時代を描いた映画だったのに対し、愛を読むひとは看守側の視点から描かれた映画だったので…。 シンドラーのリストではただただ 悪者だった看守に対する印象が、愛を読むひとでは少し変わってきます。 良くないことをしていたことに変わりはありませんが、時代が悪いというか…やらざるを得なかった人もいるというか…。 時代的な背景に関してはそこまでツッコまれてはいませんが、心情に関してはしっかりとつくられていたので、 裁判シーンでは考えさせられるものがありました。 なので愛を読むひとが気に入った方にはシンドラーのリストを、シンドラーのリストがお好きだった方には、ぜひ愛を読むひとを観てみていただきたいです。 切ない結末… 歳の差恋愛を描いた恋愛ストーリーから、時代的な裁判を描いたストーリー…そんなストーリーの結末は実に切なかったですね。 弁護士を夢見る傍聴席の少年、咎人となった被告人席の女性。 お互いが一方通行な手紙のやり取り。 すれ違いと恋心から自ら命を絶つハンナ。 何というか… 報われない切ない結末でしたね。 印象としては映画 『ミリオンダラー・ベイビー』に少し似ていたかもしれません。 前半が輝いていただけに、中盤からどんどんツラくなってストーリー展開…そして結末がひたすらに切ない感じなんか特にそっくりでした。 なので切ない結末がお好きな方にはおすすめの映画ですが、ハッピーな映画をお求めの方には不向きな映画じゃないかなと思います。 映画『愛を読むひと』の考察 【考察ポイント】• なぜマイケルは証言・面会しなかった?• なぜハンナは自ら命を絶った?• なぜハンナの墓に娘を連れて行った?• なぜハンナは2両目に乗ったことを怒った? なぜマイケルは証言・面会しなかった? ハンナが無罪になる証言を持っていながら、マイケルが面会に行ったり裁判で証言しなかったのは、 ハンナとの関係を他人に話したくなかったからだと思います。 もちろんハンナが文字を書けない・読めないことを隠したがっているから、ハンナの意思を尊重したいという考えもあるのかもしれませんが…。 個人的にはそれよりも少年時代のひと夏の恋とはいえ、 犯罪者の女性と関係があったことを知られると、弁護士としての将来に影響すると考えたのではないかなと思います。 彼女が読み書きできないことを証言するためには、彼女との関係について話さなければならなくなりますから…。 中年女性の罪を弁護士志望の少年が救う! ひと夏の恋はこのためだった…?! こんな感じで世間にあることないこと言われる可能性が高いと思ったからこそ面会もせず、 彼女との関係を隠したまま生きていくことを決めたのではないでしょうか。 マイケルは自分の将来とハンナの無罪を天秤にかけて、自分の将来を選んだ…だからハンナとの関係を証言せず、面会もしなかったのだと思います。 なぜハンナは自ら命を絶った? マイケルは自分から離れたがっているけど、まだ自分のことを愛していると気付いたから… マイケルとの関係を完全に断つために、ハンナは自ら命を絶ったのではないかな。 何年も面会に来なかったのに朗読テープを送ってきたり、手紙の返事は送らないのに出所後の面倒を見ていたことから、マイケルはまだハンナへの想いがあるのでしょうね。 そして手紙でロマンス系の朗読を頼んだり、朗読テープを頼りに文字の勉強を一生懸命していたハンナも…まだマイケルへの想いがあるのだと思います。 つまり 2人は両思いなんですよね。 ただ少年時代にハンナよりも自分の将来を選んだ負い目から、マイケルはハンナを忘れようとしているというか…愛してはいけないという想いがあるように感じました。 だからこそ朗読テープは送っても面会には行かず、出所後は 関係を断とうとしていたのだけれど…愛しているがゆえに、どうしても関係を切れずにいたのでしょうね。 ハンナはそんなマイケルの想いに気付いたからこそ… 「愛してくれただけで満足」と自ら命を絶ったのではないかなと思います。 1度は無期懲役を言い渡された大罪人…そんな 自分がマイケルの側にいては悪影響になると、身を引こうとしたのではないでしょうか。 マイケルと出会ってすぐの頃は感情的で、裁判中も正直過ぎる部分があったハンナですが、文字を勉強する内に冷静な考え方を手に入れていたのかもしれませんね。 だからこそ自分との関係を切りたがっていながら恋心を引きづっているマイケルの想いを察して、自ら身を引こうと命を絶ったのではないかなと思います。 なぜハンナの墓に娘を連れて行った? マイケルの想いに気付いたハンナが自ら命を絶ったことを知ったからこそ、 2度と同じことを繰り返さないために過去のことを娘に話そうと墓まで来たのだと思います。 ハンナから離れようとしながら恋心を引きづり、どっちつかずな態度をマイケルが取り続けたために…ハンナは自ら命を絶ってしまいました。 そして娘も「父親 マイケル が自分と距離を取っている」と悩んでいたことを語っていたので、 娘もマイケルのどっちつかずな態度の被害者だったのでしょう。 おそらくハンナへの想いを引きづりながら他の女性と結婚したこと、そして娘が生まれたこと…なのにハンナの想いに負けて別れてしまったこと…。 それらのことに負い目を感じたマイケルは、 娘にどう接していいのか分からずにどっちつかずな態度を取っていたのかもしれませんね。 ただハンナは間に合わなかったけれども… 娘とはまだやり直すチャンスがあります。 大切な人だけではなく娘まで失わないようにと、ハンナの墓前でハンナとの過去を打ち明けることで、娘と距離を取っていた理由を明かそうとしていたのではないかな。 なぜハンナは2両目に乗ることを怒った? マイケルがあえてハンナの乗る電車の2両目に乗った時、ハンナは 「自分との関係を周りの人に知られたくないから2両目に乗った」と思い、怒ったのではないかな。 「私を避けて2両目に乗ったくせに!」と言っていましたし…何度も会っているのに外で会おうとはしないから、 自分と外で会わないようにしていると思ったのでしょう。 そのくせ、その後にも ノコノコと女の家にやってくる不誠実な男。 そんな思い込みからハンナは腹を立てて、マイケルに対してあんなにも感情的に怒っていたのでしょう。 おそらくハンナもマイケルが好きだったからこそ、自分との関係を隠そうと外で自分を避けた不誠実なマイケルが許せなくて…悲しくて怒ったのだと思います。 まとめ 歳の差恋愛を描いた普通の恋愛映画かと思いきや、時代的な背景を絡めながら報われない恋模様を描いた映画で…とてもボリュームがありましたね。 かと言って飽きることはなく、2人のキャラクターにそれぞれ共感しながら切なくなりつつ、ストーリーを楽しむことができました。 報われない恋愛映画がお好きな方、歳の差恋愛・時代的な背景を絡めた恋愛映画がお好きな方にイチオシの映画です!.

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バジリスク〜甲賀忍法帖〜 物語

ひとつ むぎ の 手 あらすじ

僕は小さい時に絵を 描 ( か )くことが好きでした。 僕の 通 ( かよ )っていた学校は 横浜 ( よこはま )の 山 ( やま )の 手 ( て )という所にありましたが、そこいらは西洋人ばかり住んでいる町で、僕の学校も教師は西洋人ばかりでした。 そしてその学校の行きかえりにはいつでもホテルや西洋人の会社などがならんでいる海岸の通りを通るのでした。 通りの海添いに立って見ると、 真青 ( まっさお )な海の上に軍艦だの商船だのが一ぱいならんでいて、煙突から煙の出ているのや、 檣 ( ほばしら )から檣へ万国旗をかけわたしたのやがあって、眼がいたいように 綺麗 ( きれい )でした。 僕はよく岸に立ってその 景色 ( けしき )を見渡して、 家 ( いえ )に帰ると、覚えているだけを出来るだけ美しく絵に 描 ( か )いて見ようとしました。 けれどもあの透きとおるような海の 藍色 ( あいいろ )と、白い帆前船などの 水際 ( みずぎわ )近くに塗ってある 洋紅色 ( ようこうしょく )とは、僕の持っている 絵具 ( えのぐ )ではどうしてもうまく出せませんでした。 いくら描いても描いても本当の景色で見るような色には描けませんでした。 ふと僕は学校の友達の持っている西洋絵具を思い出しました。 その友達は 矢張 ( やはり )西洋人で、しかも僕より二つ位 齢 ( とし )が上でしたから、 身長 ( せい )は見上げるように大きい子でした。 ジムというその子の持っている絵具は舶来の上等のもので、軽い木の箱の中に、十二 種 ( いろ )の絵具が小さな墨のように四角な形にかためられて、二列にならんでいました。 どの色も美しかったが、とりわけて藍と洋紅とは 喫驚 ( びっくり )するほど美しいものでした。 ジムは僕より 身長 ( せい )が高いくせに、絵はずっと 下手 ( へた )でした。 それでもその絵具をぬると、下手な絵さえがなんだか見ちがえるように美しく見えるのです。 僕はいつでもそれを 羨 ( うらやま )しいと思っていました。 あんな絵具さえあれば僕だって海の景色を本当に海に見えるように 描 ( か )いて見せるのになあと、自分の悪い絵具を恨みながら考えました。 そうしたら、その日からジムの絵具がほしくってほしくってたまらなくなりました。 けれども僕はなんだか 臆病 ( おくびょう )になってパパにもママにも買って下さいと願う気になれないので、毎日々々その絵具のことを心の中で思いつづけるばかりで幾日か日がたちました。 今ではいつの 頃 ( ころ )だったか覚えてはいませんが秋だったのでしょう。 葡萄 ( ぶどう )の実が熟していたのですから。 天気は冬が来る前の秋によくあるように空の奥の奥まで見すかされそうに 霽 ( は )れわたった日でした。 僕達は先生と一緒に弁当をたべましたが、その楽しみな弁当の最中でも僕の心はなんだか落着かないで、その日の空とはうらはらに暗かったのです。 僕は自分一人で考えこんでいました。 誰 ( たれ )かが気がついて見たら、顔も 屹度 ( きっと )青かったかも知れません。 僕はジムの絵具がほしくってほしくってたまらなくなってしまったのです。 胸が痛むほどほしくなってしまったのです。 ジムは僕の胸の中で考えていることを知っているにちがいないと思って、そっとその顔を見ると、ジムはなんにも知らないように、面白そうに笑ったりして、わきに 坐 ( すわ )っている生徒と 話 ( はなし )をしているのです。 でもその笑っているのが僕のことを知っていて笑っているようにも思えるし、何か話をしているのが、「いまに見ろ、あの日本人が僕の絵具を取るにちがいないから。 」といっているようにも思えるのです。 僕はいやな気持ちになりました。 けれどもジムが僕を疑っているように見えれば見えるほど、僕はその絵具がほしくてならなくなるのです。 僕はかわいい顔はしていたかも知れないが 体 ( からだ )も心も弱い子でした。 その上 臆病者 ( おくびょうもの )で、言いたいことも言わずにすますような 質 ( たち )でした。 だからあんまり人からは、かわいがられなかったし、友達もない方でした。 昼御飯がすむと 他 ( ほか )の子供達は 活溌 ( かっぱつ )に 運動場 ( うんどうば )に出て走りまわって遊びはじめましたが、僕だけはなおさらその日は変に心が沈んで、一人だけ 教場 ( きょうじょう )に 這入 ( はい )っていました。 そとが明るいだけに教場の中は暗くなって僕の心の中のようでした。 自分の席に 坐 ( すわ )っていながら僕の眼は時々ジムの 卓 ( テイブル )の方に走りました。 ナイフで色々ないたずら書きが彫りつけてあって、 手垢 ( てあか )で 真黒 ( まっくろ )になっているあの 蓋 ( ふた )を 揚 ( あ )げると、その中に本や雑記帳や 石板 ( せきばん )と一緒になって、 飴 ( あめ )のような木の色の絵具箱があるんだ。 そしてその箱の中には小さい墨のような形をした藍や洋紅の絵具が……僕は顔が赤くなったような気がして、思わずそっぽを向いてしまうのです。 けれどもすぐ 又 ( また )横眼でジムの 卓 ( テイブル )の方を見ないではいられませんでした。 胸のところがどきどきとして苦しい 程 ( ほど )でした。 じっと坐っていながら夢で鬼にでも追いかけられた時のように気ばかりせかせかしていました。 教場に 這入 ( はい )る鐘がかんかんと鳴りました。 僕は思わずぎょっとして立上りました。 生徒達が大きな声で笑ったり 呶鳴 ( どな )ったりしながら、洗面所の方に手を洗いに出かけて行くのが窓から見えました。 僕は急に頭の中が氷のように冷たくなるのを気味悪く思いながら、ふらふらとジムの 卓 ( テイブル )の所に行って、半分夢のようにそこの蓋を揚げて見ました。 そこには僕が考えていたとおり雑記帳や鉛筆箱とまじって見覚えのある絵具箱がしまってありました。 なんのためだか知らないが僕はあっちこちを 見廻 ( みまわ )してから、誰も見ていないなと思うと、手早くその箱の蓋を開けて藍と洋紅との 二色 ( ふたいろ )を取上げるが早いかポッケットの中に押込みました。 そして急いでいつも整列して先生を待っている所に走って行きました。 僕達は若い女の先生に連れられて教場に這入り銘々の席に坐りました。 僕はジムがどんな顔をしているか見たくってたまらなかったけれども、どうしてもそっちの方をふり向くことができませんでした。 でも僕のしたことを誰も気のついた様子がないので、気味が悪いような、安心したような心持ちでいました。 僕の大好きな若い女の先生の 仰 ( おっしゃ )ることなんかは耳に這入りは這入ってもなんのことだかちっともわかりませんでした。 先生も時々不思議そうに僕の方を見ているようでした。 僕は 然 ( しか )し先生の眼を見るのがその日に限ってなんだかいやでした。 そんな風で一時間がたちました。 なんだかみんな耳こすりでもしているようだと思いながら一時間がたちました。 教場を出る鐘が鳴ったので僕はほっと安心して 溜息 ( ためいき )をつきました。 けれども先生が行ってしまうと、僕は僕の 級 ( きゅう )で一番大きな、そしてよく出来る生徒に「ちょっとこっちにお 出 ( い )で」と 肱 ( ひじ )の所を 掴 ( つか )まれていました。 僕の胸は宿題をなまけたのに先生に名を 指 ( さ )された時のように、思わずどきんと震えはじめました。 けれども僕は出来るだけ知らない振りをしていなければならないと思って、わざと平気な顔をしたつもりで、仕方なしに 運動場 ( うんどうば )の 隅 ( すみ )に連れて行かれました。 「君はジムの絵具を持っているだろう。 ここに出し 給 ( たま )え。 」 そういってその生徒は僕の前に大きく 拡 ( ひろ )げた手をつき出しました。 そういわれると僕はかえって心が落着いて、 「そんなもの、僕持ってやしない。 」と、ついでたらめをいってしまいました。 そうすると三四人の友達と一緒に僕の 側 ( そば )に来ていたジムが、 「僕は昼休みの前にちゃんと絵具箱を調べておいたんだよ。 一つも 失 ( な )くなってはいなかったんだよ。 そして昼休みが済んだら二つ失くなっていたんだよ。 そして休みの時間に教場にいたのは君だけじゃないか。 」と少し言葉を震わしながら言いかえしました。 僕はもう 駄目 ( だめ )だと思うと急に頭の中に血が流れこんで来て顔が 真赤 ( まっか )になったようでした。 すると誰だったかそこに立っていた一人がいきなり僕のポッケットに手をさし込もうとしました。 僕は一生懸命にそうはさせまいとしましたけれども、 多勢 ( たぜい )に 無勢 ( ぶぜい )で 迚 ( とて )も 叶 ( かな )いません。 僕のポッケットの中からは、見る見るマーブル 球 ( だま )(今のビー 球 ( だま )のことです)や鉛のメンコなどと一緒に二つの絵具のかたまりが掴み出されてしまいました。 「それ見ろ」といわんばかりの顔をして子供達は憎らしそうに僕の顔を 睨 ( にら )みつけました。 僕の 体 ( からだ )はひとりでにぶるぶる震えて、眼の前が 真暗 ( まっくら )になるようでした。 いいお天気なのに、みんな休時間を面白そうに遊び廻っているのに、僕だけは本当に心からしおれてしまいました。 あんなことをなぜしてしまったんだろう。 取りかえしのつかないことになってしまった。 もう僕は駄目だ。 そんなに思うと弱虫だった僕は 淋 ( さび )しく悲しくなって来て、しくしくと泣き出してしまいました。 「泣いておどかしたって駄目だよ。 」とよく出来る大きな子が馬鹿にするような憎みきったような声で言って、動くまいとする僕をみんなで寄ってたかって二階に引張って行こうとしました。 僕は出来るだけ行くまいとしたけれどもとうとう力まかせに引きずられて 階子段 ( はしごだん )を登らせられてしまいました。 そこに僕の好きな受持ちの先生の 部屋 ( へや )があるのです。 やがてその部屋の戸をジムがノックしました。 ノックするとは 這入 ( はい )ってもいいかと戸をたたくことなのです。 中からはやさしく「お 這入 ( はい )り」という先生の声が聞えました。 僕はその部屋に這入る時ほどいやだと思ったことはまたとありません。 何か書きものをしていた先生はどやどやと這入って来た僕達を見ると、少し驚いたようでした。 が、女の癖に男のように 頸 ( くび )の所でぶつりと切った髪の毛を右の手で 撫 ( な )であげながら、いつものとおりのやさしい顔をこちらに向けて、 一寸 ( ちょっと )首をかしげただけで何の御用という風をしなさいました。 そうするとよく出来る大きな子が前に出て、僕がジムの絵具を取ったことを 委 ( くわ )しく先生に言いつけました。 先生は少し曇った顔付きをして 真面目 ( まじめ )にみんなの顔や、半分泣きかかっている僕の顔を見くらべていなさいましたが、僕に「それは本当ですか。 」と聞かれました。 本当なんだけれども、僕がそんないやな 奴 ( やつ )だということをどうしても僕の好きな先生に知られるのがつらかったのです。 だから僕は答える代りに本当に泣き出してしまいました。 先生は 暫 ( しばら )く僕を見つめていましたが、やがて生徒達に向って静かに「もういってもようございます。 」といって、みんなをかえしてしまわれました。 生徒達は少し物足らなそうにどやどやと下に降りていってしまいました。 先生は少しの間なんとも言わずに、僕の方も向かずに自分の手の爪を見つめていましたが、やがて静かに立って来て、僕の 肩 ( かた )の所を抱きすくめるようにして「絵具はもう返しましたか。 」と小さな声で 仰 ( おっしゃ )いました。 僕は返したことをしっかり先生に知ってもらいたいので深々と 頷 ( うなず )いて見せました。 「あなたは自分のしたことをいやなことだったと思っていますか。 」 もう一度そう先生が静かに仰った時には、僕はもうたまりませんでした。 ぶるぶると震えてしかたがない 唇 ( くちびる )を、 噛 ( か )みしめても噛みしめても泣声が出て、眼からは涙がむやみに流れて来るのです。 もう先生に抱かれたまま死んでしまいたいような心持ちになってしまいました。 「あなたはもう泣くんじゃない。 よく 解 ( わか )ったらそれでいいから泣くのをやめましょう、ね。 次ぎの時間には教場に出ないでもよろしいから、 私 ( わたくし )のこのお部屋に入らっしゃい。 静かにしてここに入らっしゃい。 私が教場から帰るまでここに入らっしゃいよ。 」と仰りながら僕を 長椅子 ( ながいす )に 坐 ( すわ )らせて、その時また勉強の鐘がなったので、机の上の書物を取り上げて、僕の方を見ていられましたが、二階の窓まで高く 這 ( は )い 上 ( あが )った 葡萄蔓 ( ぶどうづる )から、 一房 ( ひとふさ )の西洋葡萄をもぎって、しくしくと泣きつづけていた僕の 膝 ( ひざ )の上にそれをおいて静かに部屋を出て行きなさいました。 一時 ( いちじ )がやがやとやかましかった生徒達はみんな 教場 ( きょうじょう )に 這入 ( はい )って、急にしんとするほどあたりが静かになりました。 僕は 淋 ( さび )しくって淋しくってしようがない 程 ( ほど )悲しくなりました。 あの位好きな先生を苦しめたかと思うと僕は本当に悪いことをしてしまったと思いました。 葡萄 ( ぶどう )などは 迚 ( とて )も 喰 ( た )べる気になれないでいつまでも泣いていました。 ふと僕は肩を軽くゆすぶられて眼をさましました。 僕は先生の 部屋 ( へや )でいつの間にか泣寝入りをしていたと見えます。 少し 痩 ( や )せて 身長 ( せい )の高い先生は 笑顔 ( えがお )を見せて僕を見おろしていられました。 僕は眠ったために気分がよくなって今まであったことは忘れてしまって、少し恥しそうに笑いかえしながら、 慌 ( あわ )てて膝の上から 辷 ( すべ )り落ちそうになっていた葡萄の房をつまみ上げましたが、すぐ悲しいことを思い出して笑いも何も引込んでしまいました。 「そんなに悲しい顔をしないでもよろしい。 もうみんなは帰ってしまいましたから、あなたはお帰りなさい。 そして 明日 ( あす )はどんなことがあっても学校に来なければいけませんよ。 あなたの顔を見ないと 私 ( わたくし )は悲しく思いますよ。 屹度 ( きっと )ですよ。 」 そういって先生は僕のカバンの中にそっと葡萄の房を入れて下さいました。 僕はいつものように海岸通りを、海を 眺 ( なが )めたり船を眺めたりしながらつまらなく 家 ( いえ )に帰りました。 そして葡萄をおいしく喰べてしまいました。 けれども次の日が来ると僕は中々学校に行く気にはなれませんでした。 お 腹 ( なか )が痛くなればいいと思ったり、頭痛がすればいいと思ったりしたけれども、その日に限って虫歯一本痛みもしないのです。 仕方なしにいやいやながら 家 ( いえ )は出ましたが、ぶらぶらと考えながら歩きました。 どうしても学校の門を這入ることは出来ないように思われたのです。 けれども先生の別れの時の言葉を思い出すと、僕は先生の顔だけはなんといっても見たくてしかたがありませんでした。 僕が行かなかったら先生は屹度悲しく思われるに違いない。 もう一度先生のやさしい眼で見られたい。 ただその 一事 ( ひとこと )があるばかりで僕は学校の門をくぐりました。 そうしたらどうでしょう、 先 ( ま )ず第一に待ち切っていたようにジムが飛んで来て、僕の手を握ってくれました。 そして 昨日 ( きのう )のことなんか忘れてしまったように、親切に僕の手をひいてどぎまぎしている僕を先生の部屋に連れて行くのです。 僕はなんだか訳がわかりませんでした。 学校に行ったらみんなが遠くの方から僕を見て「見ろ泥棒の ( うそ )つきの日本人が来た」とでも悪口をいうだろうと思っていたのにこんな風にされると気味が悪い 程 ( ほど )でした。 二人の足音を聞きつけてか、先生はジムがノックしない前に、戸を開けて下さいました。 二人は部屋の中に這入りました。 「ジム、あなたはいい子、よく 私 ( わたくし )の言ったことがわかってくれましたね。 ジムはもうあなたからあやまって 貰 ( もら )わなくってもいいと言っています。 二人は今からいいお友達になればそれでいいんです。 二人とも 上手 ( じょうず )に握手をなさい。 」と先生はにこにこしながら僕達を向い合せました。 僕はでもあんまり勝手過ぎるようでもじもじしていますと、ジムはいそいそとぶら下げている僕の手を引張り出して堅く握ってくれました。 僕はもうなんといってこの 嬉 ( うれ )しさを表せばいいのか分らないで、 唯 ( ただ )恥しく笑う 外 ( ほか )ありませんでした。 ジムも気持よさそうに、笑顔をしていました。 先生はにこにこしながら僕に、 「 昨日 ( きのう )の 葡萄 ( ぶどう )はおいしかったの。 」と問われました。 僕は顔を 真赤 ( まっか )にして「ええ」と白状するより仕方がありませんでした。 「そんなら又あげましょうね。 」 そういって、先生は 真白 ( まっしろ )なリンネルの着物につつまれた 体 ( からだ )を窓からのび出させて、葡萄の一房をもぎ取って、 真白 ( まっしろ )い左の手の上に粉のふいた紫色の房を乗せて、細長い銀色の 鋏 ( はさみ )で 真中 ( まんなか )からぷつりと二つに切って、ジムと僕とに下さいました。 真白い 手 ( て )の 平 ( ひら )に紫色の葡萄の粒が重って乗っていたその美しさを僕は今でもはっきりと思い出すことが出来ます。 僕はその時から前より少しいい子になり、少しはにかみ屋でなくなったようです。 それにしても僕の大好きなあのいい先生はどこに行かれたでしょう。 もう二度とは 遇 ( あ )えないと知りながら、僕は今でもあの先生がいたらなあと思います。 秋になるといつでも葡萄の房は紫色に色づいて美しく粉をふきますけれども、それを受けた大理石のような白い美しい手はどこにも見つかりません。

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