ショパン ポロネーズ 5 番。 ポロネーズ 第5番 Op.44 CT154 嬰ヘ短調/Polonaises Polonaise no.5 fis

ポロネーズ第5番 (ショパン)

ショパン ポロネーズ 5 番

【作曲】1840-41年 【出版】1841年にパリ(出版社:M. Schlesinger)、ヴィーン(出版社:P. そこでショパンは、パリの喧噪を離れ、創作活動に集中することができた。 1841年に完成したこのポロネーズは、ノアンで生まれた重要な作品の1つである。 ショパンはこの作品において、ポロネーズとマズルカという2つの舞曲?? いずれもポーランドの主要な舞曲であり、ポーランドの精神を象徴するものである?? を統合している。 ショパンのポーランドへの想いは止みがたく、この時期に友人のフォンタナに充てた手紙のなかで、「ポーランドに帰れることがあるだろうか」(小松雄一郎訳)とも述べている。 この作品は、ショパンの親しい女友達デルフィーナ・ポトツカの妹である、シャルル・ド・ボーヴォ公爵夫人に献呈された。 作品全体は、以下のように三区分できる。 第I部:序奏(1-8小節)-A(9-26小節)-B(27-34小節)-A(35-52小節)-B(53-60小節)-A(61-78小節)-C(79-102小節)-B(103-110小節)-C(111-126小節) 第II部:D(127-260小節) 第III部:序奏(261-267小節)-A(268-285小節)-B(286-293小節)-A(294-326小節) 第I部と第III部はポロネーズで、序奏と3つの主題部分から構成されており、第II部はマズルカになっている。 各部分は、対照的でありながらも連続性を持つように、バランスが計算されている。 第I部は、8小節の導入から始まる。 両手のオクターヴのクレッシェンドはリストを思わせる力強いパッセージであり、この部分はfis-mollのドミナントとして主要主題を準備している。 主要主題のA部分は、非常に力強い性格である。 左手の跳躍、両手で行われる伴奏、低音部での装飾やトリルなどによって、非常に充実した強い響きが生み出される。 このA部分は第I部で2度反復されるが、その度に変奏されて、力と勢いを増していく。 B部分は短い副主題で、唐突に調性が変わるため、A部分との強いコントラストが生み出される。 しかし構造的には、その後に来るA部分やC部分を準備する「アウフタクト」部分として見ることもできる。 C部分の新しい素材は、リズミックな動機のあとにV度? I度の動きが続き、それが絶え間なく反復するものである。 この部分ではa音のペダルが保たれ、それが次のA-durを準備している。 第II部で、あたかも夢のように挿入されるマズルカは、ポロネーズ部分のエネルギッシュな雰囲気とは対照的な性格である。 しかし、優しい響きを作り出す3度和音はA部分との関連を作り出しており、この旋律型は序奏とも共通点を持っているのである。 第III部では、第I部が圧縮されて再現する。 10分以上もかかる大曲ですが、構成はそこまで複雑ではありません。 基本の素材の数はそれほど多くは無く、変奏によって層が厚くなっているだけに過ぎません。 奏者はこれら基本の素材を把握し、長い目でゴールを見据えることがヒントになります。 一見長い曲でも分析をすることで曲は大変わかりやすくなります。 そして奏者のみならず、聴き手にとって「わかりやすい」演奏が望ましい演奏と言えます。 それでは冒頭から見ていきましょう。 1-8小節間はショパン独自の、「調性が分からない冒頭」で、例えばスケルツォの3番や、op10-12 などにも見られるようにショパンの場合、相当先まで進まないと何調であるか分からない曲は多くありますね。 この冒頭8小節間は結局、fis-mollのドミナントである、「Cis」がpedal point(保続音)として書かれてあります。 スケルツォの3番でもそうなのですが、大切な事は「拍の認識」とそれを正確に表現することにあります。 5小節目からは16分音符が1小節間に12のタイミングで来ますのでわかりやすいとも思いますが、1-4小節間は下手をすると何拍子であるかさえも、演奏によっては分からなくなります。 冒頭4小節は、一切のルバートをかけず、メトロノームのように正確にタイミングを取ってください。 そしてこの4小節間、2拍目は1拍目よりも大きくならないように注意します。 そしてもちろんの事ですが、1小節目が最も音量が少なく、8小節目にかけてクレシェンドをかけていきます。 さて、最初の素材はA-1とでもしておきましょう。 9-16小節間で8小節分あります。 この8小節間は9-12小節間と、13-16小節間の2つに分けることができます。 そして、9-12小節間はさらに、9-10小節間と11-12小節間に分かれます。 9-10よりも、11-12の方がメロディーラインは3度で進行し、ピッチも上がりますので、音量は大きくなります。 そして達するのが13小節目なのですが、ここは2拍目のメロディーラインDがゴールになりますね。 そして次の小節を見てみると更にメロディーラインは上行し2拍目でAになります。 ここで、簡単な考え方として、13小節目は、Cis -D-Cis と考え、14小節目は、Cis-A-Gis と考えます(筆者は今、メロディーラインの重要な音のみを抜粋しています)。 この考え方で次の小節を見ると、GisEーDis(今度は1拍目と3拍目を抜粋しています)となり、最後の16小節目では、Cis-D-Cisと、後ろに進むにつれて、音程はより広く、音はより高い音に変化していくことがわかります。 つまりは、A-1の9-16小節間、テンションは小節ごとに次々と高まっていくことがわかります。 故に、9小節目、フォルテと書いてあるのですが、メゾフォルテ位から始めたほうが無難に進むことが出来ます。 次に17小節目から27小節目までの10小節間をA-2としておきます。 このA-2では、主題のメロディーラインが17小節目より左手オクターブで始まります。 既に音量的にもかなり大きい部分ですが、A-1が3小節目でテンションを上げるのに対し、A-2では3小節目(小節数で言うと19-20小節間です)A-durに一瞬転調して、カラーが変わります。 21-22小節間舞曲的な進行で23小節目のカデンツ(終止形)に入ります。 そして、24-26小節間の和音はD Fis C でこれをItalianと呼ぶ増6度のドラマティックな和音で終わります。 この24-26小節間は、A-1、A-2の中で最も音量的には大きくなってよいと思います。 次に53小節目から60小節目まで、A-3とします。 53小節目において調はB-mollになっています。 この8小節間はきれいに2つに4小節ずつ分かれ、53-56小節間と57-60小節間に分かれます。 個人的には53-56のほうが57-60よりも音量は大きいと思いますが、それは奏者が判断します。 いずれにせよ、この2つのシークエンスは平坦にならないよう、音量や音質で違いをつけてください。 このA-3での注意点を書きます。 それはオクターブで上行する右手の音階です。 また、練習方法として、右手の4と5の指のみで(1の指を抜いて)、オクターブを上行させてみてください。 なかなか難しいですね。 このような練習により、右手の4と5を鍛えておきます。 なお、もうおわかり頂いていると思いますが、4は黒伴に使うとスムーズに音階を弾くことができます。 ここは大変難しい部分です。 地道な練習が必要とされます。 61小節目からは、A-1の変奏になります。 左手に音階が入ってきますので、音量は大きくなりますし、精神的には落ち着きませんね。 69小節目からは、A-2が戻ってきます。 前のA-2と比べて異なる部分は76小節目のように装飾的に書かれているだけの違いで、基本的なもって行き方は同じです。 79小節目からは、Bセクションに入ります。 79-102小節間をB-1とします。 このB-1の音楽的な解釈は後述しますが、まずはどのように和声を分析するかお伝えします。 83小節目を例に取ります。 ここの基本的な和音はA Cis E で、A-durの主和音です。 ところがこの小節にはA Cis E 以外にDis と Fisが入っていますね。 この2つを取り除いて考えなければなりません。 そうすると、1拍目、裏拍の4つ32分音符の後ろ2つを和声音と考え、前2つを非和声音と考えます。 この場合、Dis とFisが非和声音になり、EとCisが和声音になります。 そして、2拍目表拍の音を前の32分音符の最後2つとくっつけると A Cis E となりますね。 以降、全てこの考え方に従い、32分音符の最後の2つ+次の8分音符と和音を考えていきます。 この中でテンションが高まる部分はどこか、テンションの下がる部分はどこか考えてみてください。 そしてそれらをスムーズに進行するように強弱を付けてみてください。 さてこの部分の音楽的な解釈法ですが、このポロネーズも英雄ポロネーズと同様にBセクションが長調で躍動的ですね。 一見楽しさの表現かとも思ってしまいますが、ショパンは英雄ポロネーズのように、Bセクションを軍隊的に描写しているのではないかと思います。 つまりは、いつ軍隊が攻めてくるか分からないという恐怖心の描写ではないかとも筆者は考えています。 103小節目以降、A-2が戻ってきますね。 一瞬昔の記憶が蘇るのでしょうか。 実に興味深い形式です。 そしてA-2が終わるとまたすぐにB-1が始まります。 125-126場面が徐々に頭の中でゆっくりと変わっていく様子を描写しています。 127小節目から168小節目1拍目までをB-2とします。 このB-2セクションは更に B-2A(127ー140)と B-2B(141ー147) の2つに分けることが出来ます。 B-2Aの場合、129小節目、sotto voceがあるものの、このセクションでは最もテンションの高いところで、ここをピークに気持ちは徐々に落ち着いてきます。 そして140は最も気持ちが安らぐ部分です。 B-2Bの場合、穏やかな会話とでも描写しましょうか。 しかし少し独唱的でも構わないと思います。 この後、147小節目からは今度はEーdurにてB2-A(147-160)が戻ってきます。 161で再びB2-B(161-168)になりますが、今回は後半が前とは異なります。 そして169小節からは全く新しいメロディーラインが来ますね。 ここをB2-Cとします(169ー184小節間)。 その後は再びB2-A(186ー200)、B2-B(200ー206)、またB2-A(207ー220)、B2-B(220ー227)、B2-C(228ー248)と続きます。 250ー260はAが戻ってくるための橋渡しの部分です。 そして261にてAが戻り、311よりCodaになります。 実に巨大なこのポロネーズも、このような分析によって同じ素材が繰り返されている事がよく分かりますね。 例えば同じ素材でも調によって雰囲気や音量は変えなければなりませんし、変奏によっても雰囲気は変わってきます。

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ショパン ポロネーズ第5番 op44について特にこの曲を弾きこまれたかたにお聞...

ショパン ポロネーズ 5 番

ショパンのポロネーズは、現在『ポロネーズ集』の形でまとめて出版され、広く普及している。 しかしながら、これらの作品の作曲年代、出版年、出版地、さらには献呈は、様々である。 第1、2番のようにセットで出版されたものもあれば、第5番や第6番のように、一つの作品が単独で出版されたものもある。 番号 作品番号 カタログ番号( CT ) 調 作曲年 出版地:出版年 献呈 第 1 番 Op. 26-1 CT 150 cis 1835 ライプツィヒ、パリ、ロンドン: 1836 ヨーゼフ・デッサウアー 第 2 番 Op. 26-2 CT 151 es 第 3 番 Op. 40-1 CT 152 A 1838 ライプツィヒ、パリ: 1840 、ロンドン: 1841 ユリアン・フォンタナ 第 4 番 Op. 40-2 CT 153 c 1839 第 5 番 Op. 44 CT 154 fis 1841 ヴィーン、パリ: 1841 、ロンドン: 1842 ボーヴォ公爵 第 6 番「英雄」 Op. 53 CT 155 As 1842-43 ライプツィヒ、パリ: 1843 、ロンドン(宣伝): 1845 アウグスト・レオ 第 7 番「幻想」 Op. 61 CT 156 As 1846 ライプツィヒ、パリ、ロンドン: 1846 A. ヴェイレ夫人 第 8 番 Op. 71-2 CT 158 B 1828 第 10 番 Op. 71-3 CT 159 f 1828 第 11 番 KK. Michalowski Warsaw, 1908 ヴォイチェフ・ジヴニー 第 14 番 KK. Wessel)で出版 ショパンはピアノ独奏用のポロネーズを16曲残しているが、このOp. 26は、そのうちの10番目と11番目の作品である。 完成したのは1834年末から1835年、それはワルシャワを旅立ったショパンが、パリに移り住み3年余が過ぎた頃である。 ワルシャワで書かれた初期の9曲と比較すると、ショパンにとっての「ポロネーズ」というジャンルの持つ意味が変質しているのを見てとることができる。 ロシアからの独立を獲得するための11月蜂起とその挫折を経験したポーランド人にとって、ポロネーズという宮廷舞踏の音楽は、祖国のかつての繁栄を喚起させるものとなっていた。 ポロネーズのリズムと旋律型は、もはやポーランドの民俗的な雰囲気を作り出すための慣習的な手段ではなく、ポーランド人としてのアイデンティティを力強く表現するための媒体なのである。 響きの充実した和音で奏されるリズミックな音型、勢いのあるアルペッジョのパッセージ、劇的な効果を生み出す音の強弱の対比といった、円熟期のポロネーズに特徴的な要素がこの作品にも多く見られ、それらは力強く英雄的な雰囲気を作り出している。 この2曲は、ボヘミアの作曲家ヨーゼフ・デッサウアーに献呈された。 26-1 cis-moll 構造はA(1-37小節)-B(38-85小節)-A(1-37小節)の複合三部形式で、各部分がさらに三区分できる。 cis-mollのA部分は、4小節の導入を持つ。 それは鋭いリズムと力強い響きで緊張感を高める効果を出している。 8小節の主要主題は、勢いのある「問い」と、弱々しい「応答」のようになっている。 B部分はDes-durで、豊かな装飾と和声が叙情的な雰囲気を作り出し、A部分と対照的な性格になっている。 (*小節数はエキエル版に基づく。 ) 最後のA部分の反復については、ショパンはB部分の終わりで「Fine」という指示をしており、そこに「Da capo」を書き込んではいない。 しかし、冒頭部分の反復は、ポロネーズというジャンルにとって慣習的なものであった。 従って、ショパンが慣習を破って二部形式にしたというより、書き誤ったという見方が妥当だとされている。 26-2 es-moll この作品には、後の《ポロネーズ・ファンタジー》Op. 61を予感させるような形式の拡大が見られる。 構造は、複合三部形式と見ることが一般的であろう。 しかし、ロンド形式と解釈することも可能である。 すなわち、A(1-20小節)-B(21-48小節)-A(49-68小節)-C(69-104小節)-A(105-124小節)-B(125-152小節)-A(153-175小節)という区分である。 このように見ることによって、全体の流れを動的に捉えることができるのである。 A部分はes-mollで、前作Op. 26-1よりも規模の大きい導入部を持つ。 ppからfffまでとダイナミクスの幅が広く、劇的な雰囲気をもって主題を準備している。 主要主題は、右手の旋律とバスが不協和に衝突し、緊張感を作り出している。 B部分はDes-dur、C部分はH-durに設定されている。 これらはどちらも、A部分のes-mollからは遠い関係にある長調である。 また、リズムやテクスチュアの点でも、A部分とは対照的になっている。 【作曲】1838-39年 【出版】1840年にパリ(E. Wessel)で出版 ショパンは1838年の秋から半年ほど、ジョルジュ・サンド、そして彼女の子供たちと共に、スペインのマヨルカ島を訪れている。 この2曲のポロネーズは、その時に書き上げられた作品である。 ショパンにとって、この旅行は順調なものではなかった。 過酷な旅の疲れから体調を崩し、さらに、結核患者と誤解されたことから島の人々からも酷い扱いを受けたのである。 しかしそのような状況の中でも、ショパンはパリからプレイエルのピアノを取り寄せて、作曲の仕事を進めた。 この時期に生まれた作品には、《前奏曲集》Op. 28などの名曲がある。 パリに戻ったのは翌年の秋であったが、1年以上も留守にしていた間に出版社とのやりとりを任されていたのは、友人のユリアン・フォンタナであった。 彼は、ショパンが送ってきた草稿を清書し、ショパンの指示を受けて出版社との交渉を行った。 このOp. 40は、そのフォンタナに献呈されている。 1835年以降は公的な場での演奏を避けていたショパンであったが、周囲の後押しもあり、1841年にプレイエルのホールで演奏会を開くことになった。 このときの演奏会ではOp. 40-1が演奏されたと言われている。 40-1 A-dur 「軍隊」という愛称で知られるこの作品は、おそらくショパンのポロネーズの中で最もポピュラーなものであろう。 40-1は、曲全体で用いられている舞曲のリズムや、ダ・カーポによって冒頭部分が反復する三部形式など、ポロネーズというジャンルの伝統的な特徴を備えている。 さらに、中間部のファンファーレのフレーズや、低音部で轟くトリルなどによって、勇壮で英雄的な雰囲気が作り出されている。 曲の構造はA(1-24小節)-B(25-80小節)-A(81-104小節)の三部形式。 40-2 c-moll Op. 40-1とは対照的に、陰鬱で重々しい性格の作品である。 ポロネーズ特有のリズムは、かすかに起源の舞曲を思い起こさせるように、断片化されて用いられている。 アルトゥール・ルービンシュタインは、この作品を、ポーランドの没落を描いたものだと解釈したという。 極めて豊かな和声の変化、そして複数の旋律の対位法的な使用によって、壮麗な効果が作り出されている。 【作曲】Op. 71-1は1824-25年(17、27、28年と諸説あり)、Op. 71-2は1828年、Op. 71-3は1828-29年 【出版】1855年にパリ(出版社:Jos. Meissonnier)とベルリン(出版社:A. Schlesinger)で出版。 71-2のみ、1853年頃にウクライナのジトミル(出版社:Chzaszcz)で出版 この3つのポロネーズは、作曲家の死後に、親友であったユリアン・フォンタナによって出版されたものである。 特にOp. 71-1と2は、ワルシャワ時代に書かれた初期のポロネーズの傑作とされている。 71-1 d-moll (WN11) ショパンは1822年に、一流のピアニストとして知られていたヴィルヘルム・ヴァツワフ・ヴュルフェルにピアノのレッスンを受けている。 そして、彼のもとでフンメルなどのヴィルトゥオーソ作品を学び、その語法を吸収した。 このポロネーズは、以前に書かれた嬰ト短調ポロネーズと同様、華麗で高度なテクニックを要求する作品である。 また、堂々とした雰囲気を作り出すユニゾンのパッセージや、推進力を増加させるようなフレーズの重ね方など、円熟期のポロネーズの英雄的な性格を感じさせる要素も見られる。 複合三部形式。 全体は大きくA(1-37小節)-B(38-83小節)-A(1-37小節)という区分になっており、その各部分が三部分から成っている。 調性は、A部分がd-moll, A-dur, d-moll、B部分がD-durになっている。 71-2 B-dur (WN15) ショパンは1826年の秋にワルシャワ音楽院に入学する。 ショパンはそれ以前から、音楽院の校長であったエルスネルに作曲の個人指導を受けていたが、「音楽理論、和声学および作曲法」の学科に入学して、彼のもとで本格的な作曲の勉強を開始したのである。 そこでショパンは、持ち前の美しい旋律や和音、そしてヴィルトゥオーソ的な華々しい演奏効果などの音楽要素を、論理性をもって構造化することを学習した。 この作品では、装飾が単なる名人芸のためではなく、前進する力を生み出すために用いられている。 堂々とした雰囲気と、拡大された形式は、後の円熟期のポロネーズを予感させるものである。 複合三部形式。 全体は大きくA(1-51小節)-B(52-103小節)-A(1-51小節)に区分でき、各部分がさらに三部分に分かれる。 調性は、A部分がB-dur、c-moll、B-dur、B部分がg-mollである。 71-3 f-moll (WN12) ショパンは1829年の夏を、当時プロイセン領となっていたアントニンで過ごしている。 その地方の大貴族であったアントニ・ラジヴィウ公爵の招きで、離宮に滞在したのである。 公爵はすぐれた音楽家でもあり、ショパンは公爵のためにチェロとピアノのための作品(Op. 3)を書いている。 令嬢のエリザは、このへ短調ポロネーズを大変気に入り、この曲を弾くように1日に何度もショパンに懇願したというエピソードが残っている。 構造は複合三部形式。 全体はA(1-72小節)-B(73-98小節)-A(1-72小節)に分かれ、各部分はさらに三部に区分できる。 Aの部分はf-moll、As-dur、f-moll、Bの部分はAs-durになっている。 (*小節数はエキエル版に基づく。 ) なお、フォンタナが出版したものは初期の自筆譜に基づくバージョンである。 エキエル版やヘンレ版には、ショパンの清書譜に基づく版と、フォンタナ版の両方が含まれている。

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ショパンのポロネーズ5番、6番、7番の難易度について。 ピアノのクラシックの...

ショパン ポロネーズ 5 番

ショパン ポロネーズ第5番 op44について 特にこの曲を弾きこまれたかたにお聞きしたいのですが、 難易度はどれほどでしょうか? 他のポロネーズと比較して格段に難しいのでしょうか? 弾いてみればいいのですが、弾いてみて仕上がらない仕事をしながらの趣味ですので弾いてみて仕上がらないということも多いのでよろしくお願いします。 難所がどこかなども併せて教えていただければまずそこから触ってみて感触をつかんで取り組むか否かを検討しようと思います。 なかなかお返事ができないこともあり申し訳なく思っておりますが、教えていただければ幸いです。 補足たくさんのご意見ありがとうございました。 この曲のことをほとんど知らなかったのですが、皆様の解説で理解が深まりました。 ababacまで暗譜しましたが 譜読みが苦手なため音符が多い曲は暗譜でないと弾けません 、私にとっては意外と手になじんでくれる曲のようです。 ポロネーズのリズムには実はまだ自分の中で迷いがあって、タンタタタンタンタンタンと緩い感じではだめで、タン・・タカタンタンタンタンと溜めを作るべきというピアニストの意見を聞いたことがありますし、特に英雄の中間部で唯一ポロネーズの典型的なリズムを左手で刻む場所はピアニストによっては極端に溜めを作って弾く方もいます。 しかし、youtubeなどでポーランドの舞踏曲としての伝統的なポロネーズは意外と緩い感じでタンタタタンタンタンタンとリズムを刻んでいたりと何が本当のポロネーズのリズムか自信が持てないのです。 c(ユニゾン反復部)などはモロにポロネーズのリズムの反復なのでポロネーズのリズムに自信が持てない状態でこの曲を制覇するのは不可能と思います。 この曲にはまだいろんな課題が山積ですが、がんばってみます。 たくさんの有益な回答ありがとうございました。 下の回答者の方のところから動画を拝見しました。 医療関係の方なのですね。 この曲は、構造自体はそんなに複雑ではありません。 同じことの繰り返しや、似たようなことの展開形なので、いくつかのモチーフをしっかりおさえれば、全体を弾きこなすのはさほど難しくはありません。 練習段階では通して弾こうとは思わず、各モチーフを丁寧に煮詰めていくようにしていくとよいでしょう。 全体の構造は、 a-b-a'-b'-a"-b"-c-b cis-minor -c-d mazurka -a'-b'-a"-b"-coda と、ざっくりこんな感じのストラクチャーになっています。 aとbの繰り返しの前半、c-dの中間部、aとbの繰り返しの後半部といった感じです。 展開の仕方はaを例にとると、 a:右手単旋律 a':右手オクターブ和音 a":左手スケールあり といった具合です。 一番面倒なのはマズルカの部分ですかね。 ここも2つのモチーフが展開しながら続いていくのですが、ここもモチーフを細かく分解してみると多少譜読みが楽になると思います。 ところで同じ医療関係には、こんな化け物のような方もいますよ。 アメリカ人ですが。 時間の限られた練習はこの方も同じだそうです。 医大に行く前に1、2年ほど、ピアノを徹底して勉強した時期があってその下地のおかげだ、とか言ってましたが、音大に行ったわたしから見ても、化け物です…… アメリカには、アマチュアのコンクールを追ったドキュメンタリー映画があるのですが、下の動画の最初に出てくるマイケル・J・フォックスみたいなお兄さんも医療関係の方です。 すごいですね。 仕事とピアノの両立。 あなたさまもあなたさまなりにがんばって下さい。 失礼します。 他の回答を読んでポロネーズに対して疑問に感じたことを。 ショパンは「具体的にやっている何か」というふうに音楽を捉えられるのがあまり好きなようではなく、その結果ポロネーズとはいってもそれはポロネーズの形式を借りた「抽象的なイメージを再現するための音楽」であり、やはり「踊っている様子」とは考えにくいです。 とくにポロネーズというのは舞踏音楽というのの以前にショパンの音楽の中では「ポーランドの象徴」のような位置だったはずです。 その上この曲はかなりの自信作だったようです。 とすれば「踊っている様子」というような具体的なものを表現しているとは考えにくいというふうに、私も思います。 感情表現はあっても、具体的な行動の様子としての表現があるようには思えません。 特にこの5番に関しては「より幻想的な新しい形のポロネーズ」だそうですから、なおさらだと思います。 もしもポロネーズが踊っている様子を表しているとしても、それは1~7番までではなくおそらく8番以降だと思います。 ポロネーズとマズルカを両方使うという意味でもこの曲はショパンのポーランドへの気持ちの現れですが、それは「ポーランドに伝わる代表的な音楽形式」を使うところに意味があるのであって、踊り云々ではないと思いますね。 人間はこういうものに対し「具体的な行動や光景」をイメージしたがります(そのほうがピンときやすいし)。 しかし勝手な決め付けは独りよがりな演奏を招くような気がします。 だからこそ作者が「こうだ!」といってない場合は、具体的な何かとして決めるんではなく(何も考えないという意味ではない)、より抽象的に、もしくは感情や重いをそのまま、物理的な事象にとらわれていないイメージで伝えることが大事だと思います。 表現力というのは、それを表現しきることじゃないですかね。 大雑把にわければこの曲は 序奏ababacbcdabaコーダです。 両手オクターブでところどころ内部に和音をいれながら続くa部分ではフォルテもしくはそれ以上でのレガート奏法ですが(最初のaは違いますが)、これがどれだけ上手くできているか、全ての音をちゃんと鳴らしきれているか等で同じ「ひけている」でも完成度がだいぶ違います。 技巧・表現含めオクターブ奏の実力がモロにでる感じでしょうか。 最低ラインは低いけどそこから完成までの差がすごい感じです。 特に手が小さい(成人男性平均に満たない)人や指が弱い人は完成度を高めていく上でより苦労しやすいと思います。 c(ユニゾン反復部)とd(マズルカ部分)は完全に表現力の問題ですね。 cでは和声の変化と強弱、ペダルだけで曲を作らなければいけないし、dでは同じようなメロディーが長く続くのでここもまたただひくだけではだめで表現力が必要。 そしてまたabaです。 やはり「とりあえず一通り音を並べるのが難しい」ではなく、音を並べた上で完成度を上げていくための技術力が問われると思います。 まとめれば全体的に表現力が問われ、その上でaとbの部分ではオクターブ奏法の技術力がモロにでる。 それでいてショパンの他の難曲と比較する場合他の曲でのそれと比べて『全く形にならなかったりとりあえず楽譜通りに音を並べるまでが一苦労という意味での「難易度が高い」ではなく、とりあえず大きなミスはなく通せるという最低ラインから、完成度を上げていくという意味で技巧・表現両方の意味で難易度が高い(それ自体は他の曲も同じだがこの曲は特に)と思います。 「とりあえず音を並べるだけ」という条件同士で比較するなら英雄と同じくらいから若干易しいくらいでしょうか。 結局は表現力とオクターブ奏の技術の完成度の高さですね。 どっちの意味でも「とりあえずひける」からの先が長い。

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